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執筆者の写真井上靜

中国共産党百年に対する日本共産党

 日本共産党の志位委員長が、中国共産党結成百年記念について記者から質問されたさい、今の中国が覇権主義に陥っているのは中国共産党の責任だと批判した。

 これ自体は間違っていないと思う。

 たしかに、昔はソ連の態度を覇権主義的だと中国が批判していたのに、今では覇権主義の最たる米国のライバルとしてソ連に取って代わったので、中国も同じことをしているのだから。

 ただ、地位が向上することで敵ができることも現実。





 だから中国が米国と対立するようになり、そこから覇権争いに至るのは善とできなくても、負けて良いのかという問題がある。

 志位委員長は中国共産党の態度を批判するが、日本共産党が批判している自民党政権の悪政の多くは、米国に日本の政権が従属していることが原因となっている。これは多くの日本国民にとって共通の認識であるはずで、少なくとも日本共産党の主張に共感することが多い日本人にとっては確実だろう。


 そこで、共産党が自民党に代わり政権に就いたとしたら、なにより対米従属を改めなければならないけれど、そこで強大で悪辣な米国と対峙することになり、それなら綺麗事を言ってはいられない。

 それなのに、中国を批判しているだけでいいのか。中国が米国と対立しているのは、色々な分野で競争できるようになったからであり、これは中国共産党に覇気があったからだ。この覇気が日本共産党に欠けている。


 これが、日本共産党員と接していてよく感じる退屈さの原因であろう。ただ共産党にはカウンターとしての役割を期待しているだけの人なら退屈とは思わないだろうが。


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