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​炬火 Die Fackel 

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2025年6月28日
  • 読了時間: 2分

更新日:2025年6月28日

 もとは『Friday』の記事だったと表記されている。

 このネット上のコラムによると、ある保育園でラジオ体操が禁止され、そのわけとはラジオ体操することで園児の負傷が何度もあったから。身体を回している時に転倒してしまうなどで。

 だから禁止は間違いだと言いたい内容である。


 そもそもラジオ体操は一日の開始で準備運動するためだ。

 だから事故が無いようにするためだし、事故が起きるなら指導を適切にするべき。禁止するのは間違っている。ところが、事なかれ主義に至ってしまう。最近の子供は身体が弱いし、親も過剰に反応してクレームをつけてくる。それだから仕方ない。駄目だなあ。

 これらの反応は、あまりにも予想どおりの内容だ。



 保育園でラジオ体操するものだろうか。

 だいたい保育園は子供を預ける所で、お昼ご飯を食べさせたりお昼寝をしたりが主だ。幼稚園は文部科学省の管轄で、保育園(正式には保育所)は厚生労働省の管轄である。ただの託児所ではないから、お遊戯とかもするという程度だろう。それに、体操するには成長が足りない年齢だ。無理をすれば怪我をしても当然だ。それをもって子供が特に虚弱になったとまで言うことはできない。

 また、ラジオ体操は小学校で正式に習うものだ。小学校に上がってからの教育に属することは保育園でやらない。しかも、小学生ではラジオ体操を憶える段階である。それも含めて準備運動と整理運動の意義を教える。だから正しく出来るようになるのは中学生以上だ。


 それで、噓くさい記事だという指摘がでていた。

 ところが釣られる人達もいた。釣られる人の方が多かった。最初から期待した反応を想定していることに気付けないで乗せられてしまうからだ。書いている側では、最近の子供は虚弱だとか最初は親がすぐ文句を言うとか、そういう話の好きな人たちがいるから、そうした反応を引き出すようにすると受けるだろうと予想している。

 それにまんまと騙され乗せられてはみっともない。前提からして変だと気づかないと駄目だ。 

 

 

 
 
 

 東京都議会議員選挙の期間「共産党隠し」が行われた。

 あきらかに故意で、都議会の野党第一党だった共産党の政策など紹介しないマスメディアの不公正ぶりが色々と指摘されている。

 しかも、共産党の当選者には取材せず、全滅した「石丸新党」の「再生」を取材している始末。


 この石丸新党は都知事選挙の勢いに乗ろうとして自民党と同じ立候補者を立てた。

 それがすべて落選した。ということは、やはり、あの都知事選挙での唐突な石丸の盛り上げは、野党票の分断を謀って各方面から支援があったからだったのだろう。それで持ち上げられたのを自分の実力だと錯覚したようだった。

 実際、小池に当確が出たら石丸陣営から「よし、うまくいった」と拍手まで起きたと言われていて、その時に石丸当人は自分を応援している人たちの意図に気づくべきなのに、間抜けだから気づかなかったわけだ。  


 

 水道料金の一部を無料にすることは象徴的だった。

 都政で、共産党の政策が反対されていたのに後から実施されると、都政与党の成果として宣伝された。 そのための共産党隠しだったことは明らかだ。

 これに共産党は党として各メディアに抗議をするべきだと言う人がいる。ただ、どうすれば適切かはメディアによって異なる。 そのネグレクトの先陣であった朝日新聞は社則で「不偏不党」を標榜しているから、あの共産党ネグレクト報道は明らかに違反である。だが、あくまで内規違反。従って不買運動が適切である。

 一方、TBSらテレビのネグレクトは、選挙で不平等な報道すると放送法違反だから、共産党ネグレクト報道はBPOに訴えるべき案件である。

 

 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2025年6月26日
  • 読了時間: 4分

更新日:2025年7月4日

 『ブラジルから来た少年』という小説がある。

 これは『ローズマリーの赤ちゃん』のアイラレヴィンが、そのあと10年後に発表して話題なったものだ。それまで短編小説を発表するだけだったので「一発屋」と思われていたけれど、そうしたら次の小説を発表して凄く面白いと話題になり映画化もされた。

 その内容は、『ローズマリーの赤ちゃん』と同じく狂信者たちの邪悪な意図から産まれた子供という話で、それがオカルトからSFになったというものだ。ついでに言うと『ローズマリーの赤ちゃん』は映画化が好評だったけれど、小説の方が圧倒的に面白い。


 『ブラジルから来た少年』は、ナチの残党の謀略と、それを阻止しようとする老人の話だ。

 ナチ残党たちによる不可解な連続殺人事件があり、殺された男たちに何のつながりもなかった。ただ、妻が二十歳年下で息子が十二歳という、同じ家族構成だった。そして息子たちは一卵性双生児のようにソックリな顔をしていて、実はみんな養子で、ブラジルの産院から欧米へ養子に出されていて、その産院でそっくりな子供を生んだ女性たちは全員が金で雇われた代理母だった、ということが判明する。そうなると考えられるのは、人工授精による受精卵の遺伝子を除去し、そこへ血液から取り出した遺伝子を移植して同じ子供たちを作ったということ。つまりクローン人間である。

 そして、人格形成も同じにするため同じ家庭環境で育つように養子に出した。そして十二歳になったら父親を殺したのだ。つまり、公務員で堅物の父親は息子の勉強にうるさくて、勉強ばかりでは子供が可哀想だと妻は言うけれど、年上の夫は亭主関白で妻の言うことなど聞かなかった。ところが息子が十二歳になったとき父親が急死する。それで同じ条件にするため養父を殺害したのだ。

 こうすることで、父親の死によりガリ勉から解放された息子は画家を志望するが、描いた絵が認められず、そのうち縁あって政治に関与するようになり、ついにドイツの総統になる、という人と同じ人間を大量生産する計画だった。

 この計画を知ったユダヤ人の老人は、その中心になっている医師を追跡する。その医師とは、あのヨゼフメンゲレ博士だった。


 ヨゼフメンゲレは、731部隊の石井四郎とともに、人体実験で悪名高かった。

 実際のメンゲレは南米に逃亡すると死ぬまで逃げ続けたが、その間に危ない研究をしているなどとSFのネタに何度もされていた。日本のSF特撮もの『マイティジャック』にも登場し、密かに日本に来ると美容外科で金儲けしていた。日本の女性に、手術で鼻を白人のように高くしてやるということで。もともと美容外科と人種差別は縁があるものだ。

 そのメンゲレをネタにした代表的なSFが『ブラジルから来た少年』だったが、ヒットラーのクローン人間を作っていたことに辿り着くまでの謎解きの経過が実に面白い。そして、そんなことをしてもナチスの復興に役立つとは思えない、時代状況を考慮していない、という当然の指摘がナチス残党たちの間から上がりメンゲレと対立する。


 ナチの残党を追及するユダヤ人の老人は、あのサイモンウイーゼンタールがモデルである。

 ここで彼は、ナチの収容所で妻子を失っているから執念の追跡をしているけれど、そのナチ残党狩りは復讐のためではなく、裁判にかけるためであり、なぜなら戦争や差別を無くすることが真に犠牲者たちへの追悼になると考えているからだ。

 ところが、ユダヤ人団体の過激派は、彼が入手した養子縁組先のリストを渡せと迫る。危険な芽は摘んでおくべきだから、その子供たちを殺すと言う。それではナチスと同じ発想である。だから主人公はリストを渡せと迫られても拒絶して燃やしてしまう。



 このユダヤ人団体の過激派と同じ発想は日本にもある。

 先代の天皇が皇太子だった時「テニスコートの出逢い」がマスコミに流された。あれは仕組まれたものだったが、それを「皇太子成婚」と、あの当時に普及したばかりだったテレビで大々的に流した。とくに安保のことがあり、時の政府は強い批判を受けていた。そこから国民の意識を逸らそうとするプロバガンダだった。これは上手くいった。

 こういうことがあったので、皇族をメディアが美化してることには要警戒だと批判したところ、右派からではなく左派から非難があった。先日もSNSであった。メディアを利用したプロバガンダの危険より、戦争で日本の中心にいたヒロヒトの血筋であることが危険だと言うのだ。それではナチスを批判してナチスと同じになっているユダヤ人過激派と同じではないか。

 そういう人が日本にいて、他の指摘は一切受付ないのだ。これは小説や映画ではない現実である。

  

 

 
 
 
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