top of page

​炬火 Die Fackel 

執筆者の写真井上靜

 立花孝志が兵庫県知事選挙に立候補した目的は斎藤前知事の支援だった。

 あの活動では、そうとしか考えられない。醜聞まみれの斎藤のため、それはデマだと言いふらすなどしていたからだ。選挙運動には宣伝車の使用などに規制がある。それに触れる違法行為であり、これを斎藤の側が依頼していたら当選は無効となる。

 そういう指摘がされている。



 では、なんで立花は他人の為に働いたのか。

 もちろん報酬を得るためだというのが最も考えやすい。なにより選挙に立候補して運動するには安くない金がかかる。そのような制度は問題だが、金がかかる現実がある以上は調達しなければならない。資産家が趣味で泡沫候補となることは昔からよくあるが、対立候補の妨害のため誰かに資金を渡してやらせることもあって、これも昔から具体的に、あの泡沫候補の活動からすると、この辺りから資金が出ているとしか思えないということがあった。

 また、そうでもないと、立候補する資力が無いのに一応の選挙運動をしているなんてあり得ないこと。


 立花孝志の資金源は統一協会だと疑う人たちがいる。

 これは充分にあり得る話だ。そもそも立花孝志の「NHKから国民を守る党」の活動は、統一協会と一致していたからだ。

 もともと、NHKが高い受信料で庶民を苦しめ、その職員たちは非常識なほど高額な報酬を得て、予算で飲食など贅沢三昧している、という実態は昔から指摘されていたが、その批判を全面的に押し出して選挙に出ることは画期的で、それなりに支持を集めていたのはむしろ当然のことだった。

 ところが放送の内容を批判すると、「NHKは反日報道ばかりしている」などとネトウヨ式だった。これは統一協会と一致している。


 統一協会は80年代から受信料不払い運動を組織的に実施していた。

 のちに、安倍晋三がNHKに圧力をかけ、それが影響して報道番組の内容が改変され、このことで取材に協力した人たちが騙されたと言って訴訟を起こし、賠償は否定されたが、圧力によって改変されたことは、そのさいNHKの職員が呼びつけられた記録があることで明確だと認定された。

 このような、報道へ圧力をかける政治家というだけで政治家失格であり、謝罪も辞職もしないでいられるところに日本の堕落と腐敗があるけれど、しかも安倍晋三によるNHKへの圧力は、統一協会が80年代から続けていたNHK攻撃と性質が同じである。そして安倍晋三は統一協会と関係が密接で、統一協会の被害者から恨まれて殺害されたのだ。


 これだから、兵庫県知事選挙で立花孝志の選挙資金は統一協会から出ていたという見方は、充分にあり得ることだし、そもそもNHKから国民を守る党からして最初から統一協会と関わりがあったと見て全く不自然ではないのだ。

 

閲覧数:38回0件のコメント

 兵庫県知事選の結果に唖然としている人たちがいる。

 あれだけ大きな問題を多く起こして騒がれたのに。しかし、こんなことは昔から何度もあって、海外メディアから「日本人にはモラルが無い」と指摘されていた。

 つまり今さら驚くことではないのだ。



 これは前から繰り返し言ってきたことだが、また繰り返しになる。

 悪い政治を止めさせるために選挙の投票に行こうと呼びかけるのは逆効果である。いつも選挙に行かない人が珍しく投票すると、必ず悪い政治をする人が当選するものだ。

 いつも選挙に行かない政治に無関心の人は、現状で良いと思っている。その多くは、具体的な材料から判断するのではなく、漠然と信じている。


 若い人ほど保守的なのも同じである。

 かつて「世界中には、もちろん日本にも、食事が満足に食べられない飢えた人たちがたくさんいるのに、戦争のために莫大な税金を軍備に使うなんて…」と言ったら「ぼくには関係ないね。ご飯ならお母さんが作ってくれるから」と言った人がいた。これは小学生ではなく高校生の時だ。

 この延長線上に、若い人ほど保守的という現実が横たわっている。


 だから、投票に行く人が増えれば政治が良くなるというのは迷信である。

 低投票率のため投票を義務にすべきというのが駄目なのも、このためだ。選挙を知らない人が多すぎるので投票を義務にしている外国もあるが、それとは違い、そもそも権利なのに義務にするのが変だけれど、それ以上に問題なのは無関心の人に投票を強いると悪い候補者が当選するに決まっているからである。



 

閲覧数:21回0件のコメント

 生活困窮者支援の給付金に現役世代が反発しているらしい。

 これは、所得が無くて住民税が非課税になっている人たちを生活困窮者として給付金を出すことに対し、年収が五~六百万円の人たちが、自分は高額所得者ではないのに高い税金を納めさせられ、その税金から、主に高齢者の働いていない人たちに対して金員を渡すなんて理不尽、と言う反発だ。

 

 この給付金は億万長者にも渡る。

 なぜなら、何十億円もの莫大な資産を持つ人が、たまたま経済的情勢から売ると損なので控えたところ投資の売却益が無くなり、所得なしで住民税が非課税となり、そうしたら生活困窮者と同じとみなされて給付金が出るという次第だからだ。

 そんな人にとっては雀の涙の給付金など無用だが、お小遣いとして受け取ると言う人がいた。


 こうなってしまうのは所得源泉説に基づいた税制だからだ。

 これは、あの源泉徴収の源泉を所得と見るものだ。だから金が入ってきても、それがあり得ないとなれば所得も無いことになってしまう。例えば、かつて風俗店で働いていた女性が、確定申告のさい、収入を得たことについて正直に「買春」と書面に記入したら、これは非合法だから所得は無かったことになり、課税されなかったということがあったそうだ。


 ところが、純資産増加説に基づけば変わって来る。

 これは最初の入口ではなく結果を所得と見て、純資産が増加した分だと考える発想である。

 あのギャングのアルカポネは、密造酒で大儲けしたけれど、それは非合法だから儲けが無かったことになったものの資産は増えていたので、そこをアンタッチャブルに目を付けられ脱税でパクられたのだった。



 こうした所得と税制という考えをできない人が多い。

 だから、昔から所得源泉説ではなく純資産増加説で考えるべきだと指摘されてきたけれど、資産家や悪い人に好都合な制度は改まらず、この意味が解らない人たちが、税金を取られてばかりだと不満を

言い、高齢者などの生活困窮者に八つ当たりするのだ。 

閲覧数:14回0件のコメント
bottom of page