- 井上靜

- 2022年4月6日
- 読了時間: 2分
陸上自衛隊が2020年2月に実施した記者向け勉強会で配布した資料に、「予想される新たな戦いの様相」として、テロやサイバー攻撃と共に「反戦デモ」を例示していた。
記者から不適切だとの指摘を受け回収し修正。
資料は公文書管理法に基づく行政文書だが、保存期間を経過する前に誤って廃棄していたことも判明した。
防衛省が3月30日の衆院外務委員会で、共産党の穀田恵二氏の質問に明らかにした。
この資料は、陸自の今後の取り組みを紹介するもので、陸上幕僚監部が作成したもの。反戦デモやテロが、武力攻撃に至らない手段で自らの主張を相手に強要する「グレーゾーン」事態に当たるとしていた。

むしろ「新たな」の言葉に驚きだ。
自衛隊は、もとは警察予備隊だったから国民が敵であった。朝鮮戦争に米軍が行くので、それにより手薄になった日本国内で、滞在する米国人を守るために造られた。最初は言わば他衛隊だった。しかし組織が変わって自衛隊になったという次第である。
ところが、昔からの業務も引き継がれた。それで「治安出動」があり、自衛官の中から「国民を守るのではなく敵視して弾圧の訓練なんて止めるべきだ」と主張したため自衛官を追われた自衛官たちがいた。
また、『朝雲』などの自衛隊機関紙では、『戦艦ポチョムキン』のオデッサの階段みたいにデモ隊に子供を連れ女性がいても容赦なく銃撃せよと言っていて、これについて「ヒューマニズムの克服」が必要だと説いていたのだ。
つまり、今も相変わらずということである。「新たな」ではないのだ。

