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​炬火 Die Fackel 

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2023年8月15日
  • 読了時間: 2分

 中国軍のハッカーが外国の軍事関係に侵入したとアメリカが言った。

 その被害が実際どうなのか不明だが、日本で防衛省の情報漏えいは確認されてないと政府は発表した。確認できないの間違いかもしれないけれど、そもそもハッキングなんてしなくても、幹部自衛官に六本木のキャバクラで女性に御酌させて酒飲ませれば防衛省の軍事情報なんて簡単に手に入る。ロシアが実際にやった。

 こんなことが起きてしまうくらい自衛隊は堕落していた。


 陸上自衛隊の頂点にいた人が、自衛官の戦死に備えて靖国神社を国家の「慰霊顕彰施設」として「復活」させよと公然と主張している。

 これは右翼団体「日本会議」の出版物の記事になっていた。現場の人だったのに精神論を言い出すようでは、その人のいた組織はオシマイである。

 

 ただし自衛隊は定年が早い。

 だから退職後このように右翼団体に向けた発言で道化師役を演じて金にしようとするのだろう。それで例の航空自衛隊の元幕僚長と同じく金に拘る。

 こうした自衛隊幹部のなりふり構わずは、大相撲で舞の海が引退後の商売として右翼団体の講演会を引き受けて滑稽な右翼ぷった発言をして稼いでいたのと同じである。相撲の人気が無くなったのは先ず八百長ばかりでつまらないからだが、相撲取りになろうかという人からすると引退後の生活が無様であることが最も影響していはずだ。

 この大相撲と同じように、定年退職後の無様を見せられるから、防衛大学校は入ってもやめてしまう人が増えているのだろう。


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 優秀な人ほどガッカリして辞めるという内部告発もあった。

 そして大相撲と共通して、不真面目だから人気が無くなっているのに、それを最近の若い者は堪え性がないからだと言って、防衛大学校は誤魔化している。

 しかし相撲協会は民間が営利でやっていることだが、自衛隊は税金が予算の国の機関であるので深刻だ。


 
 
 

 自衛官だった時にセクハラを受けたと訴える女性の訴訟が係争中だ。

 セクハラやパワハラがあっても自衛隊なら組織の体質からして普通だろうと思う人が少なくないはずだが、セクハラ・パワハラはあってはならないことだ。

 また、幹部自衛官を養成する防衛大学校の教員が内部告発した。

 セクハラ・パワハラが横行する場で、堪え性が無いとか打たれ強くないとかで辞めてしまうと思う人たちがいるけれど、それでは加害行為を正当化することになり許されないのはもちろんだが、真面目で使命感を持つ人ほどガッカリして辞めていくから深刻だという。


 自衛隊で不真面目なうえ偉そうにする人は、目立ちたがるので判りやすい。

 なんでそこまで威張りたがるのか。しかも、そんな人ほどマスコミに出たがる。もっと横柄にふるまいたいなら他にもっと適切な職業がある。そんな職場は腐敗する。自衛隊が腐敗しては困る。


 自衛隊は憲法上の問題を抱えている。

 だからこそ、旧軍との繋がりや戦争賛美を公然と表明できなかったし、歴史修正主義など論外で、戦争を放棄した平和国家の実力組織に相応しい振る舞いによってのみ正当性を示せるものだった。


 かつては自衛官が「我々は軍隊じゃない。自衛隊だ」と言っていた。

 それを誠実さによって示そうと努力していて、その姿勢は崇高さを感じさせたほどだった。それが「しょせん自衛隊は軍隊だから綺麗事はやめて憲法を変えるべきだ」と自衛隊の中から言い出した人たちがいた。

 そんなふうに自衛隊の地位向上を叫んでも、自衛隊を堕落させるだけなのが現実だが、既に堕落した人は気づかない。偉い人と威張る人とを取り違えている人には解らないから当たり前である。


 おそらく、防衛大学校および自衛隊は、悪貨が良貨を駆逐した状態なのだろう。


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 自衛隊の教育機関が差別主義者を教員にしている件。

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 ある人が、次のように指摘した。

 防衛大学校のみならず自衛隊の幹部教育機関でも櫻井・高橋・門田・竹田などを呼んで講演させた。

 この中には差別主義者だと批判されて名誉毀損で訴えたものの実際そう評されても不当ではない発言をした事実があることから敗訴した人までいる。

 税金を使ってネトウヨ養成する程度の低さに驚愕すると同時に、ここで教わる人間が防衛の中枢を担うのだから悪寒を覚える。

 これは自衛隊の劣化という最近のことだと、その人は認識していたが、前々からである。


 例えば、防衛医科大学校での講演者である。

 そもそも防衛医科大学校は防衛庁長官時の中曾根康弘が作ったものだった。そして中曾根内閣の当時、中曾根シンパの最たる渡部昇一上智大学教授はテレビの「総理と語る」という番組でも共演していて、両者は統一協会と密接だったことでも共通していた。だから当然のことだろうが、防衛医大で渡部が講演していた。

 当時、渡部は週刊文春に「神聖なる義務」と題する随筆を発表していた。人気SF小説『銀河英雄伝説』で、独裁権力者が劣悪遺伝子排除を説き大虐殺した挿話のモデルである。社会の発展のためにその妨げとなる身体障害者などを排除することは我々に課せられた「神聖なる義務」であると、題と同じセリフを言う。


 渡部昇一はヨーロッパ留学をしたさいドイツ人の医学生から聴いたそうだ。

 敗戦後にドイツが復興と繁栄をしたのは、その邪魔になる身体障害者や少数民族をナチスが抹殺しておいてくれた御陰だと医学生が言い、これは今でいうヘイトスピーチだが、それを渡部昇一は成程と共感し、日本でも遺伝病を持つ家系の者たちは劣悪遺伝子をもっているのだから子孫をつくるべきではないと説いたのだった。

 「それなら、渡部さん先ず自分の両親を批判しろ」と言われた。この人はマザコンで有名だった。防衛医大の講演でも母親の自慢話をしていたし、講演後も送り迎え係の学生に母親自慢をしていたと学生が言っていたほど。しかし本人は虚弱体質だし勉強を頑張っても中くらいの成績が精一杯だったことは自ら認めていた。

 しかし本当の問題は、こんな人に医療機関で講演させることである。

 

 自衛隊は政治的に中立であるべき行政機関である。

 なのに、特定の政治的・宗教的な思想で染め上げ、反する者への憎悪を植え付ける。同じ日本国民なのに。前にアメリカで、異なる意見も許容する社会を守るのが軍隊の責務の一つであり、少なくとも我が国ではそうだと言う軍人たちの言葉が紹介されていたが、少なくとも日本の自衛隊は違う。

 現に、昔から「自衛隊は政治的に中立であるべき」と主張する人たちを隊内から追放してきた。その延長線上にあるのが差別主義者たちの講演であり、その意味では一貫性があるのだ。



 
 
 
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