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​炬火 Die Fackel 

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2022年10月4日
  • 読了時間: 2分

 「ラサール石井は芸名を変えろ」と言う人たちがいる。

 それでTwitterにハッシュタグまで貼られていた。これは、彼が卒業生であっても同校を代表しているわけではないからだ。また、ラサールといえば猛烈受験校として知られていから、それなのに芸人になったという自虐ネタとも取れるので、それを不快がる人でもいるのかと思ってしまう。


 かつて、「とんねるず」が「帝京高校出身」と言って迷惑がられた。

 お笑い芸人コンビだが二人とも元々スポーツマンだったことを売りにして帝京高校を卒業していると売りにしていた。

 しかし、そう言っていた時、帝京高校は迷惑したそうだ。彼らの在校当時はスポーツばっかりで勉強しないし不良ばかりだったけれど、今は違い、それなのに不良のような乱暴な言動をことさらしながら卒業生だと言われては困るということだった。


 ラサール高校は進学校であることも他のことでも昔と違うことは特にない。

 お笑い芸人であり、俳優としてはコメディでない役も演じる、というラサール石井が出身校のイメージを損なうことは有り得ない。ただ、彼が時々政治的な発言をして、その内容が気に入らないのでケチをつけたいだけなのだろう。


 もしも、ラサール高校が昔と変わっていたら。

 例えば、大変な猛烈進学校だったのが、高卒で就職する高校になっていたなら、卒業生の有名人に政治的な発言されると後の生徒が迷惑というのは有り得る。意識が高い系の人はコキ使いにくいと思われて就職で不利になるから。

 でも、相変わらず猛烈受験校で偏差値も高い。



 ラサールのほうが学校名としては変わっている。

 だから卒業生として芸名にしたのだろう。最初に知ったのは入試問題集であった。過去に出たのがこの有名校という意味で、問題文の後に(ラサール)とあった。

 これは何かと言った。そうしたら学校名だと教えてくれた人がいた。進学校として有名だと。ときどきカタカナの学校名がある。「ノートルダム」とか「サレジオ」とか。それと同じようなものだろうと納得した。

 彼の他に芸人が見当たらないのだから、例外という意味になる。変えることはない。

 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2022年8月18日
  • 読了時間: 3分

更新日:2022年8月18日

 生稲晃子について唯一の思い出がある。

 それは『夜のヒットスタジオ』という歌番組でのこと。たまたま彼女の属するアイドルグループ「おニャン子クラブ」が出ていた。もちろん興味は無かった。この当時、アイドルの歌をテレビで聴くなら松田聖子か中森明菜の方がよほどいいに決まっている。おニャン子のファンなんてバカだと思っている人も少なくなかった。


 そこに生稲晃子の兄も闖入者として出ていたのだ。

 当時、大学院生で、早稲田大学の理工学部とのこと。ここはオウム真理教の上祐史浩氏も修士課程に行っていたところで、入試の偏差値では東大と同じくらいの難易度だと後に知ったが、それだけに生稲晃子の兄も見るからにガリ勉という感じの人だった。

 そんな彼はアイドルが好きだそうで、妹が「おニャン子」に入ったことが嬉しく、なにかにつけては「生稲の兄です」と自己紹介するので迷惑していると生稲晃子が言っていた。それで司会の古館伊知郎が「じゃあ、おニャン子の中で誰が一番すきですか」と質問すると生稲の兄は照れながら「えへへへへ、渡辺満里奈さん」と答えるので、生稲晃子は恥ずかしがって「お兄ちゃん、やめて」と言っていた。

 では、変な国会議員になったのを、家族や親戚は、どう思っているのだろうか。恥ずかしくないのだろうか。



 自民党が芸能人を話題作りで担ぎ出した国会議員といえば山東昭子だ。

 もちろん山東昭子なんて政治家としては無茶苦茶だと言われていたし、委員会をすっぽかしてテレビ番組の収録していたことが問題になったこともある。これはゴルフの番組だったので、ゴルフ好きの大橋巨泉から「クイズに強いので僕が司会やっているクイズ番組に出てもらおうと思ったけれどスッポカシが問題になって出演の依頼ができなくなった」と皮肉をテレビで言われていた。

 ただ、そう言われるくらい、山東昭子はクイズ番組に出ると回答率が高かった。彼女は学生時代から勉強熱心で知識欲旺盛と評判だったので、タレント議員として自民党に合わせているだけだから見識は御粗末だったけれど、俄かな付け焼き刃とはいえ様々な分野にいちおうのことを言ってはいた。

 これすら、生稲晃子には無い。それなのに当選したのだ。


 そうしたら、統一協会の組織的な応援があったと報じられた。

 これに有権者とくに選挙区だった東京都民は安堵したようだ。いくら自民党の支持者でも、元アイドルグループのタレントで俄かな付け焼き刃ですら政策を語れない候補者に投票してしまう有権者はバカじゃないか。そんなに東京はバカが多いのか。そう嘆いていた人たちも、実は統一協会の組織的応援があってのことなら、当選させてしまい問題なのは都民ではなく統一協会ということになるのでホッとしたのだろう。

 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2022年8月12日
  • 読了時間: 2分

更新日:2022年8月12日

 俳優の小林清志さんが死去した。

 声優としてもアニメ映画や外国映画吹替やナレーションとして活躍していた。声優には短命な人が目立つけれど、彼は長生きした。

 ところで、よくテレビのCМでナレーションをしていたうちの一つに角川書店の宣伝があった。角川は小説を映画化して同時に売る手法をとっていたが、これ自体は既にアメリカで映画のポスターと原作本の表紙を同じにするなど先に行われていた。しかし角川は小説家も売り出したのだ。




 「横溝正史ギルティ、森村誠一ギルティ、高木彬光ギルティ、何ゆえ世間を騒がせるのか」

 小林清志のナレーションと共に、画面では三人の小説家が牢獄の中にいる。暗転となって、次の瞬間には三人の姿が消え、牢獄もぬけの殻。サイレンがけたたましく鳴り響き「脱獄だ」と。

 横溝正史は『犬神家の一族』、森村誠一は『人間の証明』、高木彬光は『白昼の死角』、それぞれの代表作と言われる小説が映画化されていた。そこへ、この刺激的なCМに三人が出演する。三人とも既に小説家として活躍していたが、これは決定的だった。実に上手い宣伝である。


 前に、同級生の父が青学大で森村誠氏一と同窓だった話をした。

 この父さんが言っていた。ОB会で新人だった森村氏は、自分の本を買ってくれと皆に言っていたけれど、その後は頼む必要がないベストセラー作家になった。それを同級生は、推理作家になりたいけれど才能が無いからと僻んでいた。

 このさい同級生は「角川の売り方が上手だっただけ」とも言っていたのだ。これはみっともない嫉妬だけど、角川が上手だったことは確かだ。


 角川の父の源義は岩波茂雄みたいな人だった。

 彼の記念館が杉並区にあって、行ったことがあるけれど、そこで感じたのは、これに対して息子は独自性を出そうとしたのだろう、ということ。

 そして、この下で働いていたから、幻冬舎の見城社長は、時々なにかあるにつけて有名な小説家に対して、小説家が生意気にという趣旨の発言をするのだろう。

 

 
 
 
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