- 井上靜

- 2020年8月23日
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更新日:2021年6月24日
前回、自治会によって自殺へ追い込まれた障害者の遺族が、自治会の役員を裁判に訴えたという報道を話題とした。
そして、このような自治会による住民への迫害は元々あり、特に障害者など弱者への虐待はザラであるから、この裁判よりずっと前から話題にしていたと述べた。
また、裁判になった例の公営住宅だと、低所得者によくある民度の低さが原因であること、よく裁判官が不遜な対応をし、スラム街や貧民窟の内部で起きた問題など知ったことではないと露骨であり、こんなことを許してはならない、などの指摘をした。
そのうえで、そもそも自治会が冷酷で残忍なのは「隣組」の後を引きずっているためで、『火垂るの墓』に描かれているように戦時中はひどいものだったが、今も尾を引いている、という話を添えていた。
この『火垂るの墓』はアニメと実写の映画とテレビドラマになっているが、このうち実写の映画では、特に町内会長が威張り散らしている場面がある。
ここで町内会長は、焼夷弾に詳しいと自称して対応を説くのだが、あの愚かな「逃げるな、火を消せ」の標語に合わせてのデタラメだった。それで主人公の少年は、空襲で母親を亡くしたばかりだったので、自分で直接見た焼夷弾の話をし、焼夷弾は辺り一面に火炎をまき散らすから、落ちてきたら一目散に走って遠くに離れないと死んでしまう、と言った。
これに町内会長は不愉快そうにするから、主人公は叔母に怒られてしまう。町内会長の面目を潰してはいけないということだ。どんなデタラメでも有難く拝聴するふりしておかないと、迫害されてしまうのだから。
この戦争中の話に比べたら滑稽だが、似たようなことは現在もある。例えば都営住宅に光回線やケーブルテレビが引かれてインターネットができるようになってきたが、そこで自治会のホームページを作り、またメールマガジンを発行し、自治会の集会場にもパソコンを設置して誰でも使用できるようにと提案が当然される。
ところが自治会長の爺さんが反対する。「回覧板でいいんだ」と。これは笑い話みたいだが、東京都内で実際にあったことだ。インターネットがあるから回覧板は要らなくなったので廃止しようということではないのに、自治会長の爺さんは自分が解らないことをされると嫌がる。
それで、インターネットを提案した人に嫌がらせをする。今は変わってきたはずだが、一昔前はこれで嫌がらせを受けた人が裁判に訴え、自治会長の嫌がらせはひどすぎることを立証したのに、担当した裁判官が自治会長と同じくらいの老人だったので自分もインターネットが解らないからと自治会長に味方してしまった。
また、サイバーセキュリティ担当大臣がUSBを知らず、原発へのサイバーテロについて国会で頓珍漢な答弁をしてしまい、驚き呆れられて外国でも報道されたことが記憶に新しいから、今でもあちこちの自治会でまだ同じことが起きている可能性はある。
とにかく、自治会は有害無益である。
今年は、コロナウイルス新型肺炎のため自治会の行事が相次いで中止となり、おかげさまで退屈な自治会の夏祭りなどに付き合わされずに済んだから不幸中の幸いだと言っている住民の声があるけれど、これこそ正直なところではないだろうか。
