- 井上靜

- 2024年6月15日
- 読了時間: 3分
更新日:2024年6月20日
高校二年生の時、人間ドックに入ったことがある。
そんなもの17歳では無用だが、異常が一つ見つかった。しかし、他は看護師や医師が、他の年配の人たちの画像と比較して見せ、いかに健康かというのを目の当たりにした。こんなに健康なのに体調が実に悪いのはなぜか。
それが検査したら判明したのだ。
未成年飲酒が原因であった。
そうでもないと、十代では考えられない。しかし、酒好きの未成年飲酒する者なら結構いるもので、たまに店に集まって飲んでいる不良たちのため店が営業停止の行政処分を受けることがあるけれど、そんなふうに飲んだ者は将来に健康被害が出るとしても直ちに影響は無いものである。なぜなら美味しく楽しく飲んでいるからだ。
そうではなく自棄酒だったら酷いことになる。
つまり自棄酒の未成年飲酒のため肝臓を傷めていたのだ。
それで医師は、肝臓は回復する臓器だから大丈夫だけど、とにかく未成年飲酒しかも自棄酒は止めなさいと言った。ただ、自棄酒ということは家庭で何かあったのではないかと、当然ながら医師は気づいて指摘した。
もちろん、家庭は無茶苦茶だった。それで親戚のところに身を寄せた話は著書の中で述べたことがある。
家庭と学校とが車輪の両軸であった。
色々なことが沢山あって、こんな学校は退学したいと言ったけれど親はサッパリ理解できなかった。それで二重に悩んだ。
このうちの一つを思い出したのが今の高校生を見たときである。女子高生が通学で背負っているナップザックにバッチを付けていることがあり、それらは女の子らしく可愛い絵柄である。
これと同じようにバッチを付けていたところ、それがピースマークバッチ(元は核軍縮の意味だった)で、多少の意識はあったけれどファッションの感覚も多分にあった、という程度のことなのに、学校で教師たちから止めろと言われた。政治的なものを付けて持ち込むなというわけだ。

これは一例でしかない。
他にも何から何まで同じ調子だったから、退学しないと潰されてしまうと思った。ジャス評論家で公民権運動にも熱心だったナットヘントフのジュブナイル小説『この学校にいたら狂っちゃうよ』である。それでヘントフの『ペシャンコにされてもへこたれないぞ!』『ぼくらの国なんだぜ』をせっせと読んだが、それでも七十年代のアメリカとは大違いの日本それも自分が通っている高校、という現実を新たな認識させられるだけであった。
それで今の高校生はどうなのかと考える。
その時々で違うし、個人でも違うに決まっている。また、入学から卒業までマスクしていたから同級生の顔をろくに知らないという人もいる。
「♪いい時代じゃないと囁きかける人たち。ぼくたちは今この時代しか知らない」と渡辺美里が唄っていた。その通りだ。
余談だが、これは彼女が自分で作詞し、曲は小室ではなく木根だった。なぜか美里は作詞すると一人称でしばしば「ぼく」を使う。


