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​炬火 Die Fackel 

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 3月3日
  • 読了時間: 2分

 事情あって冷蔵庫を大型のものに買い換えた。

 すると、通常の使用で扉が破損した。保証期間内だから出張修理となった。ところが、破損した部品を取替えて直しはしたものの、蝶番の覆いを外すさい手間取って、ドライバーを梃子にして強引にこじ開けるようにしたから、冷蔵庫の本体に傷がいくつもついてしまった。表面的な傷ではないから、錆の原因になる。洗濯機ほどではないが、同じ「白物家電」として危惧されるし、食料品を保管するのだから清潔感も大切である。第一、見た感じが悪い。

 それに、まだ新しいうちに転居その他の事情で買い替えるからリサイクルショップに売る場合、査定に影響する。つまり資産価値が低下した。


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 これをメーカーに告げて傷ついた部分の写真をメール添付で送った。

 すると確認と対処について手間取ったりしたあと結局は別の冷蔵庫と取り替えると言う。傷が原因で機能は問題ないのだが仕方ない。

 こうなったのも、雇った人の作業が悪かったからだ。真面目な人だったので直しはしたが、乱暴なやり方で商品に傷をつけてしまうのだから、これではプロの仕事とは言えない。

 おかげで、購入者はよけいな手間がかかったが、販売業者は商品そのものと運送などの費用で大損である。しかし、メーカーとしては気になるところだったようだ。


 そのメーカーは家電の専門ではなかった。

 いわゆる「ジェネリック家電」に力を入れているメーカーであった。だから、商品そのものは頑張っている。ただでさえ専門メーカーには劣ると言われているから。しかし、こういうサービスマンと言われる人の作業で差がつく。家電専門メーカーのサービスマンだったら、直すのに夢中なあまり製品に傷をつけて気がつかずにいるなんてことは無いと言って良いだろう。それをメーカーとしても充分に承知しているから、今回のような対応になったのだろう。

 こんなことがあったので、まあ一つ勉強になったとはまではいかないが物知りになれた。


 
 
 

更新日:3月16日

 学校で教師に呼び出される。

 というと不祥事のようだが、そうではなく教師が顧問をしている部活に入れと勧誘されたことが、高校のころにあった。

 このとき同じ姓の人が同じ組にいて、そいつが間違えて呼び出され、同じ組に同じ姓の男子がいないかと問われ、いると答えたら呼んでくれと頼まれたらしい。それで迷惑そうに伝言をされたのだった。そういう事情もあったから出向いた。

 

 その教師が顧問をしている音楽部に入れと言われた。

 なぜなら、聞くところによると部活をやってないそうだから、とのこと。確かに、その当時ある運動部を同級生たちと険悪になって退部していた。先輩は親切だったのだが、同級生たちには嫌な奴が多かったのだ。

 ただ、そういう生徒はいくらでもいた。その部でも喧嘩のため大量の退部者が出ていた。それなのになんで自分をわざわざ呼び出して勧誘するのか。それは音楽の成績が、その教師が担当している全校生徒の中でダントツで優秀だったからだ。もちろん普通科だったからで、これが音楽科とか音大付属とかだったら大したことない。

 

 この部には入学当初に気になっていた女子がいた。

 その時だったら入部したかもしれない。しかし既に他の女子に目移りしていた。だから断った。しょせん高校の部活なんてその程度のことである。

 その教師の水準から魅力が感じられなかったこともあった。このことは彼が卒業している音楽大学の名前を出せば納得する人が多いはずだ。この人の受験指導では東京藝術大学音楽学部には絶対に合格しないと保証を付けてもいい。

 


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 別の運動部に同級生が入っていた。

 この生徒は、やはり顧問の教師から熱心に奨めらたというより強引に入部させられた。大学進学は絶対に推薦入学させると保証されてのことだった。

 しかし三年後、推薦入学を断った。大学に行ってまでやりたいと思わないし、そこまでの資質というか才能というかが自分には無いと判断したそうだ。こうして推薦入学を断ったため彼は二浪もする羽目になった。森もと首相のようにスポーツ推薦入学してサッサと退部してしまうような調子の良さが、その同級生には無かったのだ。

 

 あと、自分と険悪になった連中は、その後に大体が退部していた。

 それくらい雰囲気が悪かった。これは学年主任の教師も問題だったと言っていた。そいつらが出ていくまで様子を見ていてもよかったかもしれない。結論は急がない方がいい場合もある。

 この話に、高校に入ったばかりの女子が「なるほど」と言って感謝してくれた。彼女も部活の同級生たちに思うところがあったということだ。

 

 ということで、来年度に向けて参考になればということで述べた。

 

 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 1月17日
  • 読了時間: 3分

 高校生の時に後悔したことがある。

 なんで、ここの高校は建物が子汚いのかと思ったら、掃除の仕方が無茶苦茶だからだった。例えばどこの学校でも一学期に一度は床にワックスをかけるが、この高校では床の材質に合わない間違った種類のワックスを使用していて、しかもきちんと掃除せずワックスぶちまけるようにするから汚れや塵が染み込んでしまうし、艶出しの乾拭きもしない。

 これでは掃除するほど汚くなる。やる気がしなくなる。こんなバカなことしている高校は少なくとも地元にある他の学校には無いだろうし、全国的にも珍しいはずだ。小学校でも中学校でも、正しいやり方をしていた。


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 これを担任教師に言ったら、なんと言われたか。

 「文句を言わずに、言われたことだけ言われたとおりにすればいいの」

 これは文句ではない。この学校だけが間違ったことをしているということだ。私立校なら勝手だが、公立校の建物は自治体の財産であるから、それを損ねることをしてはいけないはずだ。

 他の生徒が言うには、その担任教師の古文担当の中年の男は、前にいた学校が凄い山の中の田舎だから、今どきこんな建物があるものかという学校でワックスなんて想像を絶するという。だから、やり方が間違っていると言われても意味が解らないのだ。


 それも、そうかもしれない。

 しかし、言われたことだけ言われたとおりにしろというのは、間違っていても唯々諾々と従うものだという意味であり、他のことでも同じ発想で語っていた。

 「お言葉ですが、それでは奴隷がロボットになれということです」

 そう言った人がいるけれど、その教師は奴隷とかロボットとか言葉が悪いだけで、そうなれというのは全く正しいと、何かにつけて言っていた。

 そういう価値観の人は、そう珍しくはない。これで諦めたことを後悔している。


 それなら校長先生に意見を訊きに行くべきだった。

 そんな教育方針なのか。そんなのはこの学校だけでないか。そのため公的な財産を損なっても良いのか。間違ったことをして恥ずかしくないのか。

 この時の校長は、堅物っぽいけれど進歩的な言質もある人だった。だから話せば解る可能性があった。少なくとも担任教師のような無茶苦茶は言わなかっただろう。あの当時、ある教師が女子生徒に怒って小突いたら、彼女は泣き出して教室を出ていき、校長室に行って「校長先生、○○先生がぶった」と訴えて○○先生が慌てたことがあったけれど、これよりは高い水準の話になるはずだ。

 まったく話にならないなら、そこで諦めず他に話を聴いてもらうのは普通のことである。それなのに担任教師の酷い反応に驚いて暗鬱になってしまい諦めたのは間違っていた。これを大いに後悔している。

 だから、他のことでも、駄目なら他の人それも影響力のある人に話を聴いてもらう、という原則を忘れないようにしたい。


  

 
 
 
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