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​炬火 Die Fackel 

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2022年10月29日
  • 読了時間: 2分

 自分の人生で最大の失敗とは何か。

 そう質問されたら、すべての失敗の原因になっていることがあるので、それだと答える。具体的には、自分の母親が統合失調症であると気付かなかったことだ。

 このため、特に子供のころは親の影響が大きいので、何か失敗すると必ず母親に従ったことが原因だった。



 『ビューティフルマインド』という映画があった。

 これは統合失調症による幻覚に苛まされながら研究を続けた学者がノーベル賞に選ばれるまでの話で、苦労しながら支える妻とのことが中心に描かれている。文学賞が大江健三郎の時だから、それから数年後の映画化である。

 この監督と脚本家は、映画では描かれていないことあると言う。特に妻の大変さには取材したさい驚いてしまった。ハリウッド映画であるしロマンスの要素もこもっているので、どんなに苦労しても最後は報われるという美談に仕立てられているけれど。

 この妻は、夫の統合失調症に気づかず、医師に指摘されても最初は信じられなかった。夫の幻覚に登場する人は、いつも会話で夫が普通に言うので、すっかり実在すると思っていたが、しかし言われてみれば会ったこと電話がきたことも写真に写っているのを見たことも無かった。

 このように、一緒に暮らしていても解らないものである。


 知り合いで、母親が精神病だったという人がいる。

 この人の母親は、朦朧とした表情をして自覚なく歩きまわるなどしていて、いかにも病気だという感じがしたそうだ。

 このようなのとは違い、統合失調症だと、普段は平常であるし、むしろ知的な人だったり性格が良い人だったりする。だから、さっぱり解らない。しかし、次第に悪化して奇妙だと感じるようになる。

 ついに、母親が大真面目に話していることが現実ではなかったと気付いた。どうも変だと思ったら幻覚だったのだ。これに気づいてすべて解決である。しかし、子供のころに気づけなかったのが残念である。

 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2022年10月12日
  • 読了時間: 2分

 辞書の編纂に関わる人が言って話題だった。

 飲食店で「ホット」と言えばコーヒーのことで、その意味で自分も言っていたが、飲み物で「ホット」と「アイス」があるのはコーヒーに限らないから、考えてみると奇妙である。

 そういう話題だった。


 コーヒーの他にも紅茶やココアやミルクも温かいのと冷たいのがある。

それは「ホット」と「アイス」を頭に付けて呼んでいる。ところが、なぜコーヒーのことになると、ただ「ホット」と「アイス」なのか。そんな言い方が嫌いだと言う人もいる。不正確だから、当然のこと。


 関西では「れーこー」という略称があった。

 これは次第に言われなくなって、いずれ「死語」となるだろうといわれている。しかし、まだ生きてはいるし、かつては関西の人が普通に言っていた。最初に言われたときは何のことかと首をかしげた思い出がある。その時は関西に行ったことが無かったからだ。

 この「冷やしたコーヒー」の「アイスコーヒー」は、冷やすために入れた氷が溶けて薄まるのを前提に濃くなるようにした豆を使う。だから「キリマンジャロ」とか「ブラジル」とかではない。



 対して温かいコーヒーなら何でもいいという意味で「ホット」と言う。

 そうなると「ブレンドコーヒー」の意味になる。これが、かつては喫茶店業界で通用していた用語である。

 しかしコーヒーと違って、紅茶やココアやミルクについて種類を言うことは、そんなに無い。紅茶なら「ダージリンティー」とか言うことはあるが、特に種類を指定するのでなければ「紅茶」としか言わないので、冷たいのを注文する場合だけ「アイスティー」と言うものだ、

 

 そういう事情がある。

 この、辞書を編纂している人は「辞書とは言葉の意味を説明するものであって、定義するものではない」と言っていた。これは例の西村博之という人が辞書の説明と異なるなら間違いとか嘘とかになると言い出したことを意識してのことだった。

 それは、コーヒーのことからも解る。


 それにしても、最近コーヒー豆の大幅値上げには困ったものである。

 

 


 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2022年10月8日
  • 読了時間: 2分

 夏のような陽気から一転して雨と気温低下だった。

 これは予報されていたことだが、思った以上に寒いと感じて暖房を使う人たちが大勢いたらしい。一昨日まで暑くて冷房を使っていたのに。気温は低いというほどではなく、もしも冬にこのくらいの温度だと温かいと思うはずだ。これは雨の影響であり、特に気温が低くはないのに寒くて辛い気がする「梅雨冷」と同じことなのだろう。


 それで暖房は使わないが銭湯に行った。

 まだ湯船に浸かる季節ではない。しかし寒くはないけれど関節が刺激されたのと、少し前から気になっていた腕の痛みのためだった。これはマシンでトレーニングしてから始まった痛みだった。最初は捻っての炎症かと思い湿布薬を使ってみたが全く効果がなかった。また、動かさないと全く痛まず、また同じ部分を動かしても動かし方によって平気だったり痛かったり。

 そうなると、動きの一部がロックされたような状態で、薬では治らない。だから電気で解すことがある。それで、梅雨冷のような天候であることもあり銭湯に行き電気風呂に浸かることにした。



 銭湯も500円になっていた。

 去年までは四百円代だったが、物価上昇に比して高いのではないか。最近では銭湯も温泉やスパのような少しの贅沢と化しているらしい。

 それはともかく、電気風呂は効果があった。よく電気風呂は子供が喜んで入っているものだ。子供の身体は柔軟だから肩や腰が凝るなんてことはない。子供はビリビリが好きだ。あの、マンガやアニメの表現で、誰が最初に描いたのだろうか、ギザギザの中に骸骨が透けている感電の表現があるけれど、それを体感して面白がっている。

 もう銭湯が日常生活のものでなくなったことだけは間違いない。


 最近はガソリンの値段も問題になっている。

 冷暖房が贅沢な七十年代の石油危機のさい、便乗値上げなどあったけれど、もとはと言えば戦争が原因だった。そして今またアメリカが仕組んで中東に代わりロシアの対抗で混乱という次第だが、またマスメディアが本質を隠蔽している。同じことの繰り返しだ。

 それにしても銭湯まで細やかとはいえ贅沢になるとは予想できた人は少ないだろう。燃料代の高騰が原因だが、そうした価格は常に操作されている。


 
 
 
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