- 井上靜
- 2024年11月22日
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生活困窮者支援の給付金に現役世代が反発しているらしい。
これは、所得が無くて住民税が非課税になっている人たちを生活困窮者として給付金を出すことに対し、年収が五~六百万円の人たちが、自分は高額所得者ではないのに高い税金を納めさせられ、その税金から、主に高齢者の働いていない人たちに対して金員を渡すなんて理不尽、と言う反発だ。
この給付金は億万長者にも渡る。
なぜなら、何十億円もの莫大な資産を持つ人が、たまたま経済的情勢から売ると損なので控えたところ投資の売却益が無くなり、所得なしで住民税が非課税となり、そうしたら生活困窮者と同じとみなされて給付金が出るという次第だからだ。
そんな人にとっては雀の涙の給付金など無用だが、お小遣いとして受け取ると言う人がいた。
こうなってしまうのは所得源泉説に基づいた税制だからだ。
これは、あの源泉徴収の源泉を所得と見るものだ。だから金が入ってきても、それがあり得ないとなれば所得も無いことになってしまう。例えば、かつて風俗店で働いていた女性が、確定申告のさい、収入を得たことについて正直に「買春」と書面に記入したら、これは非合法だから所得は無かったことになり、課税されなかったということがあったそうだ。
ところが、純資産増加説に基づけば変わって来る。
これは最初の入口ではなく結果を所得と見て、純資産が増加した分だと考える発想である。
あのギャングのアルカポネは、密造酒で大儲けしたけれど、それは非合法だから儲けが無かったことになったものの資産は増えていたので、そこをアンタッチャブルに目を付けられ脱税でパクられたのだった。

こうした所得と税制という考えをできない人が多い。
だから、昔から所得源泉説ではなく純資産増加説で考えるべきだと指摘されてきたけれど、資産家や悪い人に好都合な制度は改まらず、この意味が解らない人たちが、税金を取られてばかりだと不満を
言い、高齢者などの生活困窮者に八つ当たりするのだ。