- 井上靜

- 2023年8月6日
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更新日:2023年8月6日
ブッシュJrと安倍晋三は酷似しているという前々回の話題だった。
また、最悪だから何としても辞めてもらいたいという人たちがいたことも共通していた。このため、ブッシュJrに反対して立候補する人を非難する米国人たちがいた。ラルフ=ネーダーという消費者運動で知られる人が、環境保護を最重視する「緑の党」から大統領選挙に立候補することについて、反ブッシュの票を分裂させてブッシュを利すると言うのだ。
しかし、その前にブッシュSr(区別するため父の方をシニアと米国では言う)を批判してロス=ペローという大富豪が立候補したことについて、ペローは保守派だけど、ブッシュの票を分断すると非難する保守派はいなかった。
ペローは金があるから宣伝してそれなりの有力候補とみなされた。
だから、いつも二大政党だけのテレビ討論にも三人目候補者として参加した。そこでブッシュが、自分には官僚と副大統領としての経験があると言ったのに対し、クリントンがアンカーソン州知事の経験があって失業対策では実績があると言った。
そこで政治家の経験がないペローは、自分には莫大な財政赤字や貿易赤字を作った「経験」は無い、と皮肉って大いにウケていたが、そのうえで、伝統的な価値観が崩壊した社会にした「経験」も無いと言い、二大政党を批判のうえ保守派として保守主義者を自称するブッシュをより強く批判したのだった。
ネーダーも二大政党を批判して立候補すると言った。
これに対して、消費者や環境の保護を訴えると、大企業の支持が多い共和党より、労働組合の支持がある民主党から票がネーダーに流れると批判した人たちがいた。しかし、民主党も政治献金が欲しくて大企業に擦り寄る政策になっていて、消費者保護・環境保護などが蔑ろでの共和党と変わらない。だから二大政党が批判されている。
それでも、ブッシュJrはひどすぎるから、政策などそっちのけでいいからとにかく辞めさせるべきだと言うわけだ。政策がダメでもブッシュよりはマシという「よりマシ論」である。
しかしネーダーは言った。そんなにひどいブッシュに、二大政党の片方から立候補して勝てない候補者とは何なのか。それに、二大政党が同じだから投票率が低下しているので、その棄権している人たちにこそ投票して欲しくて立候補しているのだから、票が割れるというほどのことは無いと反論した。
日本も同じことだった。
安倍がひどすぎるから、とにかく辞めさせることだと言う人たちがいた。
もともと、自民党に批判的でいながら、自民党より野党を非難する人たちがいた。例えば、共産党は日本最古の政党で固定支持者が多いのに、共産党が野党の票を分断しているという言い掛かりをつける連中。なだいなだ、きむらゆい、などなど挙げていたらきりがない。
そして、新興の立憲党は、低投票率だから棄権している有権者にこそ呼びかけるべきなのに、他の野党が自党に協力するべきで、それが当たり前、という言動をしてきた。「野党共闘」が上手くいっても礼は言わず、思い通りでないと共産党のせいにする。
また、新選組は仇で返すようにされたと立憲に怒りをぶちまけていた。
そして安倍が辞めて、そのうえ死んだ。
首相を辞し、一国会議員になり、さらに政界だけでなくこの世からいなくなったけれど、これで解決ではなく、後継者が同じ政策をより悪質に推進している。ブッシュさえ辞めさせればいいというのが間違いであることはオバマによってハッキリしたけれど、それと同じく、安倍さえ辞めさせればいいというのが間違いであったことが証明された。

これは結果としてのことではなく、最初から判っていたことだ。
そして予め見えていた結果になったというだけのことだが、それでも間違いを認めない人たちがいる。これは間違っていたのではなく最初から確信犯だった人もいるのではないか。
あるいは、実質的に確信犯だけど無自覚ということかもしれない。


