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​炬火 Die Fackel 


 共産党が「旧統一協会問題追及チーム」を立ち上げた。

 これは安倍元首相殺害事件に関連して、偽装のためとしか考えられない名称の変更が認可された疑惑などを問題にしているわけだが、そのさいの横断幕に対して「誤字」と突っ込んでしまった人たちがいた。「教会」なのに「協会」になっているというのだ。

 そんなことを言っても「世界基督教統一神霊協会」の略だから「統一協会」である。ワープロの候補も、そう出てくる。


 おそらく「基督教」と付くから「教会」と思ってしまうのだろう。

 しかし基督教会という意味は名称を見ての通り含まれておらず、「協会」は「神霊」に係っている。つまり宗教ではないのだ。

 これについて共産党も、本来の正式名称であるうえ宗教団体ではないという意味があると説明しおり、宗教を偽装した悪質な金集めをする団体という批判をこめているようだ。しかも、そのように外部から批判的に言うだけでなく、名称の意味からして宗教ではなくて、そんな名称にしていたということは、宗教ではない自覚があったのだ。


 「神霊」あるいは「心霊」と名称についた他にも団体はある。

 これらは、宗教のようだが宗教ではない。まず、宗教団体の形式をとっているけれど実質が厳密な宗教とは違う団体がある。統一協会が、そうだ。

 また、傍から見ると宗教としか思えない活動をしていても宗教法人ではなく財団法人など別の形式をとっている団体があり、こちらは何の活動をしているかというと、スピリチュアリズムやオカルティズムの研究をしていて、超常現象を究明する科学だと主張している。


 ちなみに、心霊現象や神秘主義を科学的に究明することは、よくハリウッド映画に出てくる。

 その中には日本でもヒットした映画があるから、知っている人も多い。例えば『ヘルハウス』『ポルターガイスト』といった怖い話から『ゴーストバスターズ』のように笑いをとる話まであって、幽霊を機械によって観測したり退治したりする。

 また、ハリウッドスターのシャーリー=マクレーンが凝っていたことでも有名である。神秘体験を綴った『アウト・オン・ア・リム』はベストセラーとなって邦訳も出ているし、自演の映画化もあって、昔いっぱいあったレンタルビデオ店は常備されていたものだ。それくらい話題だった。



 そして宗教のようでいて違う団体が「霊感商法」をやらかす。

 その代表格が統一協会だし、オウム真理教も神秘主義を科学的に解明して再現できると偽装して営利を追及し、営利団体ではない宗教法人の形だから税制の優遇を受けていた。これと同じことをしている宗教団体が色々とある。

 ただ、統一協会は名称の意味から堂々とスピリチュアリズムやオカルティズムであると名乗っていた。ここで宗教じゃないのに宗教団体の形をとっているから怪しいと気づかないといけないのだが、気づかないで入信してしまった人がいることはもちろんのこと、批判している側の人たちでさえ多くは気づいていないのだ。

 それだけ、日本では宗教と心霊・神霊の区別があやふやで、今も日本人はオカルト好きということである。だから統一協会から金を取られる人たちの圧倒的多数は日本人なのだ。

 
 
 

更新日:2022年7月21日

 『ナニワ金融道』の青木雄二が、オウム事件があったさい指摘していた。

 こんなことが起きないように「正しい宗教を教えるべき」と言う人がいるけれど、そんなの甚だ牧歌的で、やるべきなのは義務教育で「神はいない」と教えるべきだと説いていた。

 もちろん宗教弾圧しろという意味ではなく、思想信条の自由は基本的人権だから尊重すべきだが、まず常識を教えるべきだ、と。

 だいたい、宗教の見地でも神や仏も良心の拠り所であるから実在するものとはしていないのが正確なところだ。さすがに神は居ないと宗教家が説くことはできないというだけのことだ。


 もともと日本人の信仰は宗教からかけ離れている。

 だから霊感商法は殆ど日本で行われている。それだけ引っかかる人が多いからだ。この原因が、日本人の好きな、宗教からかけ離れた滑稽な信仰である。霊感商法では、先祖の問題や悪い霊のために災難がふりかかるとか言って脅すけど、これに僧籍のある人が指摘していた。

 「自分は寺で生まれ、僧侶になるため宗教の大学に行き、仏教を専門に勉強するのと同時に、一般教養として世界中の宗教も学んだが、どの宗教も、そんなことは言ってない。墓石や仏壇や御札といった宗教グッズを売っている業者が言っているだけだ」


 たしかに、宗教施設内で何か売っても、おどろおどろしい話をして売ろうとはしない。

 ただ、もともと日本人は、信仰心が乏しいというより皆無で、ただ、その「宗教グッズ」が大好きで、これはちょうどスポーツはしないのにオリンピック関連グッズ売り場には行く人と同じだ。

 ここに付け込まれるから、インチキな壺を売りつけられるなどの形で金を巻き上げられるのは日本人ばかりということになる。



 安倍元首相殺害事件の原因は宗教と政治との癒着であった。

 しかし元はと言えば日本が滑稽な信仰と行動をしているから、政治家と癒着している宗教が勝手なことをし放題になるのだ。

 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2022年7月14日
  • 読了時間: 2分

 オウム真理教事件の当時、筑波大学の学生は就職活動で困ったと言う。

 なぜなら筑波大学は怪しい宗教団体の魔窟のような印象を持たれてきたからだ。福田信之学長の専制支配により、学内での諸活動は禁圧され、大学当局による統制が強まることで抑圧的になることを批判するさいの「筑波化」という言葉まで出来たほどだった。ところが例外は統一教会で、特別扱いされていた。福田学長は統一教会の熱烈なシンパだった。

 だから、オウム真理教に一流大卒の信者がいてヤバイことをしていたということから、オウム教事件があってからは筑波大の学生に対して疑心暗鬼なる人がいて、学生は就職活動のさい苦労させられたというわけだ。


 もともと福田信之という人は、本業では実績のない物理学者だった。

 そして同窓生から「ヘァツ」と言われていた。理工学用語でドイツ語を使うから、そこで「性格が悪い」を婉曲に「心」と言うのを、エナジーではなくエネルギーというのと同じでハートではなくヘアツ(Herz)と言ったのだそうだ。

 そんなヘアツの人が勝手に出来たのも政治情勢の影響があったからだ。


 80年代には学生運動が衰退した代わりに怪しい宗教活動が活発になる。

 その意味で筑波大学は最先端だったが、全国の大学で統一教会の「原理研」が跋扈した。おかげで宗教系のサークルは勧誘のポスターに「原理研・統一教会とは関係がありません」と断り書きするほどだった。

 この当時は統一教会と密接な中曾根首相だったことも影響している。この人に比べれば安倍首相は祖父の岸首相から引き継いだだけだから熱心さでは劣る。



 80年代は、テレビでも店内でも松田聖子の歌が聴こえていた時代だった。

 松田聖子の大ヒット曲の数々は80年代の象徴だった。この一方、大学では原理研が活発だった。

 そして、長生きした中曾根元首相は老衰で死去したあと、松田聖子が元夫と一緒に愛娘の位牌と遺骨を持って記者会見し、この翌年には統一教会に家庭崩壊の恨みを持つ元自衛官の男が安倍元首相を殺すという事件が起きた。

 こうして80年代は後味が悪い結末となったのだった。

 
 
 
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