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​炬火 Die Fackel 

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2022年12月2日
  • 読了時間: 2分

 国歌はナショナル-アンセムと言う。

 かつて高校の時に英語の教師が「ナショナル-ソング」と言ったけれど、儀礼用に演奏するだけで唄わない歌詞が無いものもあるから、ソングでは不適切だと言う話を後で聞いた。


 ところで、国歌の歌詞を一部変えた国々がある。

 例えばロシアは、唄い出しが「ロシア」だけど、元は「ソユーズ」で、これは宇宙船の命名にも使用されているが、「連邦」の意味で、国歌は「ソビエト連邦」のことだったから、今はロシア連邦なので変えたということだ。

 最近ではイギリスが変えた。「ゴッド-セーブ-ザ-クイーン」の「クイーン」を「キング」にした。もちろんエリザベス女王が死んで息子のチャールズ皇太子が後を継いで国王となったからだ。



 チャールズ皇太子と離婚したダイアナ妃の映画が話題だった。

 前にもテレビドラマが作られて日本でも放送されていた。チャールズ皇太子と婚約したものの、彼の女性関係を知ったダイナアさんは、これでは結婚できないと言ったけれど、婚約を公に発表してしまった後だから今さら止められないので結婚しなさいとエリザベス女王に命令されてしまう。

 こういう話が大好きだったうちの母親は大喜びで観ていた。

 ダイアナ交通事故死に暗殺説があった。

 あのとき、ダイアナ元皇太子妃は、週刊誌やタブロイド紙にスキャンダル写真を売ろうと有名人を追いかける「パパラッチ」と呼ばれるカメラマンから逃れようとして、運転手は飲酒していたにも関わらず急遽発車という次第で、事故になってしまった。

 これについてエリザベス女王は、もう親類ではないから関係ないと冷たく言い放ったと伝えられるが、それは表向きのこと。ダイアナ元皇太子妃に再婚話があり、これが英国にとって不都合な人物だったから、いずれ国王になる人の元妻というだけでなく、将来は跡継ぎとなる子供の母親が、それでは困る。そこでMI6などの英国諜報機関が事故を仕組んだのではないかと囁かれた。


 チャールズ皇太子なら、やりかねないと言う人たちがいる。

 そんなことを言うのは女性ばかり。チャールズ皇太子の陰謀ではなく印象で、女たらし遊び人なうえ何より顔つきが悪いということ。つまり、うちの母親と同じ女性が多いわけだ。

 
 
 

 ロシアのプーチン大統領がアメリカの原爆投下を批判した件。

 これは先月の27日にモスクワで開かれた国際討論フォーラム「ワルダイ会議」でのこと。ウクライナ侵攻を巡る核兵器使用の可能性などについて質問に答える中で言及した。


 広島と長崎への原爆投下は「軍事的にはまったく必要なかった」「米国は非核保有国に核兵器を使った唯一の国だ」と批判したうえで、米国の領土の一体性や国家主権に対する脅威はなかったとし、また当時の日本には既に反撃する能力もなかったのだから「事実上、一般市民を核攻撃した」と指摘した。

 さらに日本の教科書は「連合国側が原爆を投下したと書いてある」と述べ、「学校の教科書にさえ(投下したのは米国だという)真実が書けない」と主張した。


 これは、今になってプーチン大統領の見解として述べられたことではない。

 なぜなら、ソビエト時代から教科書に記述されていたことであり、この教科書をプーチン大統領も学校で使っていた。

 アメリカが戦後に優位さを示すためには原爆を使用することが有効であると考えたはずで、それ以外の理由は考えられないと指摘していた。



 このようにソビエトの教科書が指摘していたことは、日本でも一部で報道されていたが、そのことを発展させた議論は無かった。

 だから知らない人もいるにしても、それでは困る。前にアメリカのオバマ大統領らが原爆投下と爆発の映像を見て拍手喝采するなかで、一方プーチン大統領は十字を切って犠牲者を忌む意思を示した。このことが驚きをもって報じられたのは、マスコミの劣化の表れである。驚くことではなく当たり前のことであると認識できなかったのだから。


 ただ、あの当時、そういうことを取り上げたら攻撃され、そんなことをする勢力の中枢に巣食っていたのは他でもない統一協会だったのだ。

 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2022年11月7日
  • 読了時間: 4分

更新日:2022年11月7日

 過日、米国TVジャーナリストのジェームズ=ゴードン・ミーク失踪の話題を取り上げた。

 それは彼が半年前に忽然と姿を消し、彼が過去書いた記事や著作がすべて出版社Webから削除されたということだった。彼は昔から戦争関連取材で追随を許さなかったが、ウクライナにおける米軍の極秘情報に接近したため、FBIなどに拘束されたのではと憶測されている。

 そして、ここから思い出すのはカンヌ映画祭グランプリ映画『ミッシング』のモデルになったチャールズ=ホーマン失踪事件であるという話題だった。チリのピノチェト将軍による左派政権転覆軍事クーデターと、それに迫った米国人の虐殺と、そこに見え隠れするアメリカ当局の関与。映画は実話に基づいたポリティカルサスペンスで、音楽は監督と同様にギリシャ出身のヴァンゲリスだから、不安を煽る場面で『ブレードランナー』を思い出させる響きが一部にある。ちなみに同監督の代表作『Z』ではギリシャのテオドギラスだった。どちらもクセナキスらと同様に軍事政権下のギリシャで苦悩した音楽家である。


 この映画化は実話に基づいているが一部は仮名であると最初のテロップで説明がある。

 また、映画では行方不明の息子を探す嫁と舅の世代の隔たりが強調されていて、このジェネレーションギャップが映画の脚色として面白いというのが公開当時に評価されていた。舅役を演じたジャック=レモンも、それがドラマとして秀逸だったと言っていた。アメリカを批判する内容なので出演を非難する手紙も来たそうだが。

 そんなドラマだから、軍政下の緊迫した雰囲気を描きながらも、息子の嫁が夫との思い出を説明するさい性生活についても奔放に語るから舅は困って「そんな話は訊いてない」と嫌悪感とともに言うなどの場面があるのだ。この舅は保守的な価値観の持主であるから。


 ところがDVDの翻訳に一部で不適切な部分がある。

 それまでの話の進行中、失踪した息子は当局の関係者が語る話から軍事政権の背後にアメリカの工作があったらしいことに気づいたと解り、さらにアメリカの外交官らも知っていたうえ口封じで殺害を容認したとしか思えないことが態度から仄めかされる。そういうことは「行間」を読めば判るのだが、ファンや批評家のサイトでは容易に解る話とされているのに対して、DVDの通販サイトのレビューでは理解できない人たちがいて滑稽であった。

 それはともかく、最後にジャック=レモンが息子は殺害されたと確信すると、危険に近づいた方が悪いという政府の当局の人たちに対し、責任を追及するため裁判を起こすつもりだと父は言い「それは貴方の勝手だが」「いや、私の権利だ。そんな国で暮らしていることを神に感謝している」と啖呵を切るのに、DVDでは字幕スーパーでも吹替でも無くなっていた。ただ「あんたらをのさばらせておくほどアメリカは腐った国ではないはずだ」になっていた。



 この父親は実業家として成功していて意識が保守的で信心深い。 

 だから、息子とその妻が当時のヒッピー文化的な価値観に傾倒していることを苦々しく思っていた。そして信仰する教会の施設が出てくる場面もある。また、若造たちが理想主義に走って親と国の恩を忘れていると批判していた。

 しかし、ひどい国の仕打ちがあった。当時のニクソン大統領とキッシンジャー長官のコンビは、そんなことばかりしていたのだ。それでも、神には感謝している。なぜならこの国の良いところは政府の過ちを市民が追及できることで、そんな国で暮らせるのは神の思し召しというわけだ。

 ただ、裁判で追及したものの、肝心な証拠は国家機密とされ、証拠が無いからと訴訟は請求棄却されてしまうと最後にナレーションで説明される。

 だから、ここのセリフは大切だし、かつてテレビで放送されたさい解説の水野晴郎も印象的なセリフだと指摘していた。それをDVDの翻訳担当は解らなかったのだろう。


 ついでに、ピノチェト将軍と軍事政権の、相手が反体制であろうとなかろうと見境なく手あたり次第に大虐殺などの残酷さは、この映画でも死体累々など場面などで描かれていたし、他にドキュメンタリー映画『戒厳令下チリ潜入記』という命がけで撮られた映画もあったが、そのほかにも想像を絶する残虐な拷問や惨殺があったことが明らかとなっている。

 ところが、このピノチェト将軍がそれを正当化する本『私の決断』を産経新聞社(当時サンケイ新聞社)が邦訳を出版し、また産経の「正論文化人」である曾野綾子がピノチェト将軍を公然と支持していたと言われていることも付記しておく。



 
 
 
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