top of page

​炬火 Die Fackel 

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2023年9月29日
  • 読了時間: 3分

更新日:2023年9月29日

 前に、裁判所に出す書面について相談を受けた。

 それは二人の男性から別々に、だった。この相手の対応が対象的だった。


 先ず一人は、こんな趣旨の内容を記述するべきだと言っても出来なかった。

 どう書けばいいのかと質問し、こちらが言うことを一字一句そのまま書こうとするので、それでは駄目だと言った。内容を理解できずに書いたものを提出したら後で困る。

 だから、趣旨を咀嚼したうえで自分の言いたいことを自分の言葉で書くのでないと駄目だ。それが出来ないなら、弁護士か司法書士に料金を支払い代書してもらうべきだ。


 もう一人は、出来た。

 あることで、こんなことがあり、それが法的な問題になったから裁判に提出する書面には、どう書いたら良いものか、という質問を受けた。

 それで、色々と考え方はあるけれど、だいたいはこんな趣旨になるはずだと言ったところ、意味を理解して自分の言葉で書いて提出していた。

 これは学歴や偏差値と直接の関係は無いとはいえ、前者は大学に行ってないのに対し、後者は私学の頂点といわれる大学を出ていて、ただ法学部ではなかったから、話の内容はしょせん法学部で習う程度のことであるから、その話をすると、その人はこれまで知らなかっただけであるから、関心をもって聞いたなら直ちに理解できるのだ。



 その相談とは、ある人から恫喝されていて、怖かったから脅迫ではないかと言う話である。

 それに対して、そのある人は、正当な権利を持っているから脅迫ではないと反論していた、ということ。

 これは問題ではないかという相談に、仮に権利があっても法的な手続きを取らなければ自力救済で違法行為の疑いがあると言ったところ、法学部ではないが一流大学を出た人は、ネットや本で調べ、問題の人は勝手に他人の懐に手を入れるも同然のことを色々とやっていたから、これは自力救済に該当する違法行為だと考え、それを裁判で主張して認められていた。

 ところがもう一人は、言葉の意味が解らないなら調べればいいのに何もしないで、噛んで含めるように教えてくれというならまだしも、そうではなく何と書けばいいのか解らなくて、一字一句そのまま同じに書くので言ってくれと頼んだのだ。


 つまり、結果として偏差値や受験の難易度がどのくらいの所に入ったかというのではなく、受験勉強をしたことがあるかという問題だった。

 もし解らなければ調べて理解しようとする姿勢が無い人は、他人に丸投げしたがる。

 それも悪いことではない。だったら、安くない料金を支払い代わりにやってくれる専門の人に依頼することだ。自身が専門の人でも、面倒だから金を払って他の専門家に依頼することだってあるのだから。 

 
 
 

 杉田水脈議員の発言が法務局によって差別であると認定された。

 すなわち国会議員が人権侵害をしたと国から認められたのだ。杉田議員は差別発言を繰り返して批判されることが多く、もともと右翼団体から立候補をしても当選できないでいたところを安倍晋三首相から気に入られて自民党の比例名簿に載せてもらい当選したのだから、自民党の責任であると指摘されている。

 しかもその差別発言は恩人の安倍晋三にも向けられた。同性婚なんてとんでもない。子供が出来ない夫婦なんて駄目だ。などと言った。安倍夫妻は不妊治療しても出来なかった。これで傷ついたと言った安倍晋三は、彼女が反省してくれたら良いとも言ったけれど、全く反省しなかったわけだ。



 杉田水脈は泡沫候補の時にコスプレをしていた。

 だからマック赤坂と同じと言えるが、しかし彼は遂に自力で議員に当選したから、その点では杉田水脈より立派である。しかも、杉田水脈は自分でコスプレしているから他も同じだと勘違いしたようで、伝統的な文化を伝える民族衣装をコスプレと揶揄したのだ。

 それが北海道のアイヌ民族についてのことだから、北海道の法務局が差別に当たり人権侵害だと認定した。相手が政権与党に所属する国会議員であるにもかかわらず、差別は差別、人権侵害は人権侵害、と認めたのだから偉い。


 東京の法務局は違う。

 前に、例の悪名高い北澤晶という裁判官の陪席判事が、裁判の中で病気の話が出てきて、これを書面に書くさいに差別用語を使用し、それはちょうど安倍昭恵夫人について不妊症と書くべきところで「産まず女」と書いたようなもので、しかもこれは医師が「昔は使われていた言葉だが、今では差別的な表現であるので使用されていない」と書いた部分を見て、わざと患者を侮辱するために書いたのだった。

 まったく裁判官の資質にかける人格破綻者である。


 それで、法務局から勧告するよう求められていた。

それなのに東京の法務局は、たしかに酷いが、相手は裁判官なので批判したくないから、申立を無視させてもらうと堂々と言った。書類は廃棄して無かったことにすると関係者に電話で通告し、その役目を押し付けられた女性の職員は電話を嫌々かけていると言った。誰か上司の指示ということだった。

 つまり就いている地位のため注意も受けないで済む。だから杉田水脈のような人が国会議員になっても当然だった。しかし、今回のことで、北海道の方が東京より法務局はマシだと思える対応だったのだ。

 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2023年9月26日
  • 読了時間: 3分

 岡山弁護士会長は、防衛医大訴訟の時に世話になった弁護士である。

 あの当時は、いちおうベテランと言われてはいたが、まだ年齢的には若かった。その当時に結婚したと、同じ法律事務所の弁護士に聞いた。その後、訴訟の途中で抜けて、故郷の岡山に帰った。主要な弁論や尋問は終わっていたので、残りは主任の弁護士だけで結審まで続行した。

 そのさいの、途中までの活躍が、判決で決定的だった。


 防衛医大の側は、同意書をとっていると主張した。

 これが無ければ手術は絶対にしてはならならず、それがあると強弁した。そうなると、説明されてないと患者が訴えても、医師が説明したと言えば裏付けがあるということになってしまう。

 しかし、説明したと言っても、そんな説明はあり得ないと、東大医学部教授が明言していた。症例からして、その手術をしてよくなることはあり得ない。つまり、もしも説明したというのがほんとうなら、医学的に誤った説明をしたことになる。

 それは考えにくい。では、どうして同意書があるのか。それが問題だった。


 その同意書は、患部を切除するというだけのものだった。

 だから手術名のところに「切除」としか書いていなかった。しかし術後に研修医が書いた診療録には、手術名が専門用語で、しかも専門用語とはいえ字面から素人でも容易に理解できる記述であった。

 つまり執刀医が患者から取っているという同意書だけが、手術名の欄を字で埋めただけで、研修医ですら書ける記述がされていなかった。この点を打ち合わせのさい指摘したところ、弁護士は、確かに、この点を上手く突けば決定的だと言った。


 そして法廷で医師が書面を提示され、筆跡について問われた。

 執刀医は、若い研修医より、はるかに雑で汚い字だったから、筆跡の違いは明らかだった。その点を、書いたのはどっちなのかと質問し、執刀医は同意書の方が自分の字だと認めた。そうでないと自分が説明して同意書を取ったという話が嘘になってしまう。字が雑で汚いことは恥ずかしいけれど医学的にも法的にも問題ではない。

 そこで、研修医でさえ簡潔明瞭に正確な記載をしていることを、専門医を自認する執刀医が出来ないとはどういうことかと訊いた。これで焦った医師は「大雑把に」とか「ポッと書いた」とか、他の医師たちから不真面目だと批判される発言をした。

 ここへ畳みかけて、同意書が無ければ絶対に手術はできないと医師が自分で言っていたけれど、それは後から何か起きた場合に必要だからで、「同意書というものは、医師と患者がトラブらないために最も重要な書類なんじゃないの」と問い詰めた。これに執刀医は、重要だと認めた。それなのに、その重要な同意書に正確な記載を、貴方はしてなかったということになると糺した。


 この部分が判決で重視された。

 そして、国の病院それも自衛隊の機関が敗訴するとは珍しいことがあるものだと、主要な新聞に記事が載りテレビでもとりあげられた、という次第であった。

 その後、執刀医は防衛医大を辞したが、開業すると今度は患者を死に追いやって、それが有名な芸能人(大橋巨泉)だったから、またマスコミに騒がれ、週刊誌からNHKまでが取り上げたのだった。

 この後、故郷の岡山県に帰っていた弁護士は、2021年度の岡山弁護士会長に就任したのであった。尋問の様子など詳しいことは拙書『防衛医大...』(ホームページ参照)にて述べている。




 
 
 
  • twitter

©2020 by 井上靜。Wix.com で作成されました。

bottom of page