- 井上靜

- 2024年6月14日
- 読了時間: 2分
過日「いただき女子」と称する女性が詐欺で有罪となった。
この人は、前に風俗店で働いていた時に金で逼迫する事情があり、これに同情した客が30万円くれたことから、それなら嘘で困っていることにして男性に同情させて金をもらうことを思いつき、複数の男性から合計して一億円を超える額を騙し取ったうえ、そのやり方を手口マニュアルとしてインターネット上で販売までした。
それで詐欺と幇助で逮捕されたということだった。

しばらくしたら映画の題材になりそうだ。
いままでにも『毒婦高橋おでん』とか、男性の結婚詐欺師だと『クヒオ大佐』とか、実在の詐欺師をモデルにした映画は何度も作られていて、勝手な脚色で面白おかしく描いていることが大体であった。
それで、この「いただき女子」は、どのように材料として料理されるだろうか。
それにしても刑罰が重すぎると言われている。
これでは殺人犯なみの懲役で、被告人は愕然としたそうだ。男性が被害で、加害者が女性だったからではないかとも言われている。
また、騙された方も下心があったから悪いし、あるいは同情から騙されてやったという側面もあるのではないか、ということで、厳しすぎると批判があったのだ。
この弁護側は、生い立ちの不遇さから転落して行ったことで情状酌量を求めていた。
もともと、このように同情させて騙す詐欺はあった。
そして、女性の場合、子供が病気で金に困っているとか嘘をつく。これに騙された男性が、それでも病気の子供は居なかったのだから良かったと言ったりする心情も解かる。同性でも、例えば名作『アルジャーノンに花束を』で、主人公の知り合った女性が、困っている十代の女の子を自室に泊めてやったら金を持ち去られるという恩を仇で返すことをされたけれど、自分だってお金にゆとりは無いけれど、あの子も困っていたのだろうと寛容なことを言う場面があった。
しかし、騙した者の背後関係があって、やらされていたとしたら。
あの統一協会なんかが、よくやっていたことだ。かつて自分の母親が、統一協会は悪いと知ってはいたけれど、黙されて信者になっちゃったのだからと同情して、壺は買わないけれど幾ばくかの寄付をしてやっていた。そんなことをしたら、統一協会の組織から「もっとやれ」と言われてしまうじゃないかと注意しても解らなかったので呆れた思い出がある。
つまり騙すも騙されるも「どっちもどっち」なのである。


