死んだ長嶋茂雄は只のバカではなかった
- 井上靜

- 6月13日
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長嶋茂雄が死んだ。
派手な活躍により「ミスター読売ジャイアンツ」「ミスタープロ野球」と言われ、日本のスポーツで最大のスターだった。
また、戦後の日本人をテレビを通じて堕落させた御三家の一人と指摘する人もいた。御三家とは「ミッチー」「ひばり」「ナガシマ」である。

長嶋茂雄は、自分が政治的に保守派だと言った。
それで「社会党政権になるとプロ野球は無くなる」と迷言を吐いた。これについて俳優の天本英世が著書で述べていた。プロ野球や大相撲などスポーツ選手には頭の悪い人がよくいる証拠が長嶋茂雄だ、と。
他にも長嶋茂雄は変なことばかり言うので「バカ」と言われていたし、金にしか関心が無い俗物だという指摘もあった。南海ホークス(現ソフトバンク)から入団を前提に支度金をもらっておきながら、もっと高い金を提示されたら義理もへったくれもなく読売ジャイアンツに入った。それで大沢啓二ホークス監督は、ことあるごとに長嶋茂雄に皮肉を言っていた。
そもそも日本のプロ野球は愚民化政策だった。
いわゆる「パンとサーカス」である。そしてCIAの工作で米国から技術が提供され、NHKより先に日本テレビが放送を開始した。プロ野球の巨人戦を中継するためだ。この中心的人物が、警察官僚で読売新聞を興しプロパガンダを垂れ流したファシストの正力松太郎であった。だからプロ野球には「正力賞」がある。
これだからテレビを通じた愚民政策の御三家として、歌手の美空ひばりと皇太子成婚の妃とプロ野球のナガシマの名が挙げられるのだ。
そして岸首相が言った。「国会前はデモ隊でいっぱいだが、野球場もいっぱいだ」
だから、その愚民たちの「声なき声」に応えるのだと居直った。A級戦犯として裁かれるはずだったのに、その敵国だった米国に寝返って傀儡となることで見逃してもらったことを。
この時は学生も労働者も立ち上がったから、右翼も左翼も関係なく政府に怒っていた。岸首相は右翼に刺され負傷したこともある。それで、暴力団や在日外人を金で雇ってデモ隊に暴力をふるわせた。
この一貫としてプロ野球があり、その最大スターである長嶋茂雄だから、あのような発言をしたのだ。ただのバカではなく、彼は自分の立場を理解していたのだ。



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