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年の功は必要なこと

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2022年12月22日
  • 読了時間: 2分

 バイロイト音楽祭を聴いていたら懐かしい名が出た。

 『神々の黄昏』の放送時だが、最初に解説者が「尊敬する音楽学者の磯山雅さん」と言っていた。趣旨とは、その磯山先生が、『神々の黄昏』の内容は『ジークフリート』に登場する要素の総てを逆にして否定的な内容と化したと指摘していたという話であった。

 磯山雅先生はバッハ研究で日本の第一人者と言われていたが、ワーグナーにも詳しかった。


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 数年前に怪我が原因で亡くなった。

 凍結した舗道で滑って転倒したさい頭を撃ってしまったのだった。そのとき、たまたま縁があったことを述べた。音大の付属に行っていた当時からブランクが空きすぎているけど勉強すれば何とかなるかという相談をした。

 これは前のブログに掲載したが、読んだのを憶えている人もいるかもしれない。


 あの当時は助教授で、当時は准教授とは言って無かった。

 そのあと招聘教授という肩書になっていた。その時、ドイツ語を習っていた先生に、磯山先生は何であんなに物知りなのかと言ったら、それは歳が上だから読んだ本などの絶対量が違うと指摘されて、言われてみればそうだなと納得した。

 このドイツ語の先生はオーストリア文学が専門だからホフマンスタールを通じてリヒャルトシュトラウスの歌劇に詳しかったが、それ以上にホフマンスタールの戦争翼賛を辛辣に批判したカールクラウスの『人類最期の日々』について詳しかった。このブログの題名も、カールクラウスの機関紙から取って付けていることは、前に述べたとおりである。


 あと、古谷径衝さんの話も思い出した。

 西村博之という人は才能があるかもしれないが知識がなく、自分より歳は上だけど勉強していないと扱き下ろしたのが話題だった。

 とにかく、年の功というのは必要だと思った。

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