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『ネバーエンディングストーリー』の監督が死去

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2022年8月20日
  • 読了時間: 3分

 ウォルフガング-ペーターゼン監督が死去したとの報。

 

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 『ネバーエンディングストーリー』が最も人気がある映画だろうが、その前に『Uボート』によって知られるようになっていた。

 のちにハリウッドに進出し、ビバリーヒルズに住んでいた。それで死去した場もアメリカだった。ハリウッドで金をかけた映画を撮るためアメリカに媚びる内容ばかりになったから、このことで、『ネバーエンディングストーリー』は良質なファンタジー映画だったのにと言われ、勘違いした人からは『Uボート』は反戦映画だったのにと言われたものだった。

 

 『Uボート』は公開当時、原作者が批判していた。

 小説は反戦だったが、映画化はハリウッド式の活劇になってしまったと言うことだった。監督の候補に挙がっていたのはジョン-スタージェスとドン-シーゲルというアメリカの活劇が得意な監督たちだったそうだ。だから製作者は活劇映画にするつもりだったのだろう。

 もちろん、ペーターゼンもフィルモグラフィからすると活劇にしか関心が無い人だろう。しかしドイツ人が監督でないと演出に支障があったのではないか。『Uボート』は、乗組員たちの言葉はドイツ人でも聞き取れないほどの訛りで、それにより戦争に駆り出されたのは地方の若者たちということが判るからだ。

 この、巻き込まれる庶民の部分が、小説では重要だったけれど、映画化では無くなっていた。これが不満だったと原作者は言っていた。


 いつも戦争に駆り出されるのは地方の若者ということだ。

 これは、よく映画に描かれる。かつて名優-三國連太郎がテレビドラマで戦争体験のある男を演じたさい、自分は地方の出身者で、戦争に行くのは農家の次男坊・三男坊だと語る場面があった。映画『野生の証明』では、三國連太郎が地方のボスに扮して地元の自衛隊の幹部に「倅です」と紹介したら「立派な若者ですね。どうです自衛隊に」と言われ「いや、男の子は一人だけなので」と言う。戦後も「自衛隊に入る農家の次男坊・三男坊」と言われていた。

 そんな人が今でもロシアでは地方に行くと多くいて、ウクライナに派遣されている兵士も、そうだということらしい。ところが中国は違い、かつて人口抑制のため「一人っ子政策」をして、少子高齢化になるからと最近になって止めたから、跡取り一人息子を軍隊に入れるのを嫌がる人ばかりになり、経済力がついたから金かけて装備を近代化しても人が足りず、だから中国は戦争できないと言われる。


 最近、自衛隊が隊員を集めるための調査でプライバシー侵害をしたことが問題になった。

 この経済状況では、自衛隊に入る人が多いかと思ったら、やはり少子化の影響があるらしい。しかし金がなくて大学進学を諦める人は増えている。

 その中には、学歴がなくてもなれる公務員ということで自衛隊に入る人もいて、辞めたあとで社会に対するルサンチマンから暴力に走る人も一部にいて、ついに元首相を銃撃ということまで起きたのだった。


 ペーターゼン監督には『シークレットサービス』という映画もあった。

 クリント-イーストウッドふんするベテランが、若い者と一緒に要人の乗った自動車の周りを走って体力的にシンドイ様子だけど、最後は活躍する。

 よく言われる、元首相銃撃のさいの警備の御粗末は、実際にどうだったのだろうかとも考えてしまう。

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