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​炬火 Die Fackel 

更新日:2021年6月23日

 かつて福島瑞穂議員が弁護士として活躍していた当時に受け持った事件と同類の事件について、共産党の議員から紹介された弁護士に法律相談をしたところ、相談の拒絶も同然の対応だったという話を、過日ここで述べた。


 これは、その弁護士にとって詳しくない問題とか、得意ではない案件とか、そういうことではなかった。

 それだったら、それを率直に言えばいい。恥ずかしいことではないから正直に言う弁護士もいる。ただ、見栄を張ってはぐらかす弁護士も少なくないが。

 ところが、その弁護士は、相談を受けたくないという頑なな態度であった。これは、相談は受けても訴訟などの受任はしないという話ではない。受任するか否かは、忙しいとか儲けになりにくいとか、そういう事情によって断っても良いことになっている。人権擁護の観点から褒められたものではないが、弁護士だって商売だから容認されている。それだけではなく、相談そのものに聞く耳持たないどころか見ざる聞かざる言わざる、であった。

 その分野に明るくないだけなら、専門にしている他の弁護士に相談した方が良いと言うはずだが、そうは言わず、あなたが問題にするのは勝手だが、自分は問題だとは全く思わないと繰り返し言った。その法律的・具体的な理由を執拗なほど訊ねても、説明することは一切無かった。


 なぜかと暫く考えたが、これは党派性の問題だった。

 その内容から、関係する個人や団体や新聞・雑誌が、紹介した議員の所属する共産党と、普段から決して仲が良くはないとか、今は何も無いけれど場合によっては対立する可能性があるとか、そういうような事情のために、受任どころか相談すら拒絶の態度だったのだ。

 それも、率直に言ってくれた方が良かった。権力による深刻な人権侵害を相談したのに、権力が人権侵害しても良いという趣旨を共産党の法律相談で弁護士に言われて取り付く島もない対応だったということになれば、その弁護士だけでなく共産党も評判を落とす。そういうことは実際に今までよくあったのだ。


 なのに、そうまでして弁護士が頑なになった原因とは、相談を受けただけでも、その後で対立があった場合は、一旦は敵に与したことになってしまうことがあるからだった。

なぜなら、弁護士法及び弁護士職務倫理規定で、弁護士は、相手方から「協議を受けて」あるいは「賛助」した「事件」については、その職務をおこなってはならないとされているからだ。


 つまり、相談を受けて、その事件に関わる個人や団体が後に共産党と対立した場合、その弁護士は共産党の味方ができなくなってしまう、ということだ。だから、共産党の評判を落とすかもしれなくても、それは一個人のことだから、後々共産党のためには結果として利敵行為になりそうな相談は、とにかく受け付けたくないのだ。



 例えば、あの旬報法律事務所の、あの佐々木亮弁護士は、革マル派系と言われる労働組合から相談料を取って助言をしておきながら、暫く後に同労組と対立する側の代理人になり、弁護士法及び弁護士職務倫理規定に違反していると指摘されて代理人を辞任したが、その後も密かに相談に乗り続けていた証拠が出てきたので、弁護士会に懲戒請求されていた。

 こちらはネトウヨによる人違いではなく、実際にあったことに基づいている。そのうえ内容的に、言葉は悪いがダブルスパイをしていたということではないか、などと厳しく批判を受けていた。


 こうした政治性と党派性が弁護士の業務に存在するので、もちろん佐々木亮弁護士の行為は論外だが、それにしても人権に分け隔ては無いと思って弁護士と向き合ってしまっては駄目なのだ。


 
 
 

 前に、もともと弁護士の法律相談は頼りにならないが、無料だとなおさらだという話をした。

 こんなことは昔からあったが、しかも今の弁護士は腰抜けがより多くなったから、という話だった。そして、役所でやっているものは無料なりの簡単なものだし、政党と議員がやっているものも同じ。特に共産党の法律相談は評判がよくないが、これは無料だからということより、共産党がやっているということで幻想を抱いている人が多いからガッカリも大きいのだと指摘した。


 その続きだが、解かり易いので借金関係の話をする。

 かつて、サラ金に苦しめられている人が、違法な金利と取立を訴えたいから、日弁連会長もしていた宇都宮健児弁護士のようにしてほしいと期待していたのに、共産党の無料法律相談に出てきた弁護士は自己破産すれば楽になるという話だけだったと、怒っていた。宇都宮弁護士が都知事選挙に立候補したさい、共産党は率先して応援していたのに、なぜか。相談者をバカにしているのではないか。

 こういう話をする人は、よくいる。だから、これを共産党の悪口のネタに利用している人も、よくいる。



 これも前の話題と同じで、所詮は無料相談だから、に尽きる。

 もちろん、弁護士会の有料相談でも、大して変わらない。弁護士の「当たり外れ」なら激しく有るが。

 ただ、そもそもサラ金から借金して無料相談をする人なら、だいたいが、じゃあ自己破産すればという程度の人である。同じ大手業者が大勢の人たちを苦しめているとか社会問題になったら、その分野で熱心な弁護士の出る幕となるだろうが、そうでなければ、自分で追及しながら法律的な見地では弁護士に相談する。

 それができない人は、まず相手にされないし、できそうな人だけど面倒くさい案件なら、ぞんざいな対応で避けられたり、てきとうなことを言って逃げられたりする。この対応の上手下手も弁護士により個人差があるけれど、はぐらかしていることでは同じだ。相談していて「暖簾に腕押し」の感触だったら、そうだと思って間違いない。


 これは自分の体験だが、共産党の法律相談で女性の弁護士が、法的問題には具体的に答えようとせず、そっちで勝手にすればいいと繰り返した。内容的には前に福島瑞穂議員が弁護士だった時にやっていた裁判と同じだった。つまり党派性の問題だった。そんなこともある。


 つまり、弱者の味方の共産党が連れてきた弁護士が、なんで弱者の味方をしないのかと疑問に思って憤慨しても、それは弱者だから質素な解決しかないということなのだ。

 これに文句があったら、弱者なりに逞しくなるしかない。そのうえでさらに政治的な障壁もあるのだ。

 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2021年6月2日
  • 読了時間: 2分

更新日:2021年6月23日

 地元の議員が市民にサービスでやっている無料の法律相談なんて全然ダメだと言う人がいた。

 無料の法律相談は役所でもやっているが、どちらにしてもしょせんは無料のものだから、その程度だと思っていたほうがいい。

 ただ、共産党の法律相談だと、反権力の気骨がある弁護士だと幻想を抱いて相談する人がいるので、その分だけガッカリする人が多いようだ。

 そして、共産党に依頼された弁護士なんて腰抜けばかりだと非難している人の話も聞くし、そういう弁護士なら、直接に知っている人も何人かいる。実話に基づいた映画『松川事件』に出てくるような、権力に迫害される共産党員たちのために必死で闘う弁護士たちを思い描いても、まさに「今は昔」である。だいたい、知り合いの共産党の若手市議会議員なんか松川事件も知らなかった。



 映画『松川事件』で頑張る弁護士たちは、宇野重吉と千田是也つまり新劇左派の人たちが扮していて、そこへ宇津井健の扮する若手の弁護士が加わり奮闘する。もともと宇津井健はアクションスターだが、後にテレビドラマで何度も弁護士や検察官の役を演じるようになるのは、この役が影響している。

 あと、同じ山本薩男監督のモノクロ時代の映画で宇津井健が熱演していたのは『人間の壁』であった。この話に、近所に住む年金者組合の共産党員が「ああ!『人間の壁』ね!」と。この人は元教師で、映画は教育行政の反動化に抵抗する教師の話だから、当然ながら昔観ていた。そしてジェネレーションギャップの克服に映画の上映会をしようかと言い出した。


 ただ、こちらは昔の邦画で社会派のドラマをつとめて観ていたけれど、それでむしろ弁護士といい教師といい遠い過去の話だと認識している。

 そうでない人たちは、どうやって幻想を持つのだろうか。そもそもの原因は、弁護士界が腰抜けばかりだからで、そうではなさそうな人でも、見せかけているだけのことがよくある。だから党派性など無関係だし、弁護士会で金を払っての法律相談も大して変わらないのだ。



 
 
 
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